第4章 白梅と月夜の友人
「私も見た!不死川先生、凄く急いでたねー! 」
中原すみちゃんも、スプーンでグラタンを掬いながら言った。熱いので、ふうふうしながら食べる様子が可愛い。
「不死川先生、お昼ご飯食べに戻ってくるかなあ? 」
寺内きよちゃんが心配そうに呟いた。不死川先生がいるのといないのとでは、やっぱり違う。不死川さんがいると、皆嬉しいのだ。
「どこに行かれたんでしょうね。お帰りになったらお食事は用意しますから。大丈夫ですよ」
アオイさんが皆を安心させるように言ったので、みんなはホッとして美味しいお昼ご飯を食べる。デザートも必ずついているランチは皆のお楽しみの時間なのだ。
今日のデザートは季節の苺のババロアにバニラアイスとベリーソースをかけたもの。わいわい食べる皆に飲み物を出しながら、ひなたはこんなに楽しい時間を過ごしながら癒されている自分を感じていた。
モデルをしている時には考えられなかったけど、誰かの為にこうしてご飯を作って、食べる顔を見守る事がこんなに嬉しいなんて。
「ひなたさん、私達もいただきましょうか」
ちょうどオーブンから焼きたてのグラタンを出してアオイさんが言った。
「はい!お腹空きましたね、早く食べたいな」
「美味しそうですね! 」
アオイさんと向かい合わせの席で食べながら、ひなたは不死川さんがどこに行ったのか思いを巡らせていた。
もしかして、愈史郎の家に行ったのかな。
「不死川さんは大学院で研究をなさってるんです。時間を都合しては、こちらの先生もしてくれているんですよ」
「そうなんですか!忙しいんですね」
「はい。この学校の先生は、産屋敷先生を慕って集まって来ている方ばかりです。半分以上の先生は職をもっていらっしゃいます。それぞれ時間を作って来てくれてるんです。皆さん、ご自分のお仕事を自分で自由にできる方ばかりです」
「そうなんですね」
皆、融通が利くお仕事なのかな。毎日来てくれる人もいるし、週に3度くらい来てくれる先生もいる。仕事をやりくりしながら、時間を作ってくれていたんだ。