第4章 白梅と月夜の友人
アオイさんと一緒にお昼ご飯を作るようになって、ひなたは卵が割れるようになった。黄身も崩さないように、殻も入れないで器に割れる。ゆっくりやれば。
お昼ご飯は座敷の襖を取り払って、大広間にしてから皆で食べる事もあるけれど、普段は12時から2時の間にキッチンか茶の間に行けば、食べたい人から好きな時間に食べる事ができる。
学食に至るまで自由な校風だ。先生や生徒さんが、好きな時間にご飯を食べに来るのを、アオイさんとひなたとで手分けして捌いて行く。
12時を過ぎると腹ペコになった可愛い生徒が沢山集まるから、アオイさんとひなたは一気に忙しくなるキッチンで皆のお膳を用意しては渡して行く。
生徒さんの中にはお手伝いしてくれる女の子や男の子が何人もいて、すみちゃんやなほちゃん、きよちゃんの仲良し三人組はいつも配膳をしてくれるから助かっている。
「はい、お待たせ。炭治郎君、熱いよ。ゆっくり食べてね」
高田なほちゃんが今日のランチのグラタンとサラダとスープ、バゲットの載ったトレーを目の前に置くと、熱々のグラタンの香ばしい湯気に炭治郎君はくんくん、と匂いを嗅いだ。
「良い匂い!いただきます!わぁ、美味しいや!! 」
赤みがかった可愛い目をキラキラさせて喜んでくれる炭治郎君が可愛いので、アオイさんはニッコリと笑った。
「炭治郎君、お代わりありますよ。サラダも食べて下さいね」
「いただきます!そう言えば、不死川先生はどこに行ったんですか?さっき見かけたら急いで車に乗って出て行ってたから」