第4章 白梅と月夜の友人
翌日、庭に出て不死川さんと一緒に白梅を見に行った。昨夜、愈史郎に聞いた話を不死川さんにしても良いものか迷う。
そうだ、不死川さんが幹の中の流星群を見ることができたら、話をしてみようと思った。
「あれから植物に詳しい友人に聞いたりしたけどさ、庭木の事は産屋敷先生ほど詳しい人がなかなかいないんだ。先生もいつも言ってるけど、この白梅も年月が経ってるからな。老木だし、ここまで折れるとなァ、修復も難しいな」
不死川さんは幹に近づいて覗き込んだ。
「なんだ、これは…」
幹を覗いていた不死川さんが驚いたようにひなたを振り返った。
「不死川さんにも見えるの⁈ 」
「ひなたにも見えんのか⁈ 」
不死川さんは絶句している。こんな現象は見たことがないから慌てるのが普通だ。
「この星屑みたいな渦の中に触れると、どこかに飛ばされてしまうんだって! 」
「どこに…? 」
不死川さんは目を見開いてひなたを見た。
「ひなた、お前が知ってる事、全部話せ」
「私にもよく分からないの。私は近づいたら駄目だって愈史郎に言われたから…どこかの時代に行っちゃうからって」
この話を始めると、不死川さんはひなたのすぐ近くに来た。白梅のある池の周りでは、子供達が遊んでいたからだ。
「なァ、愈史郎って誰? 」
「おじいちゃんの友達だよ」
「なら、お爺さんか? 」
「10代だと思う」
ひなたのすぐ側に不死川さんの顔が近づいていた。こそこそ話をしていたから、顔が近い。
「は⁈ そんなに若いのか。先生は顔が広いからな…」
「愈史郎が言うには、近づくと危ないのは私だけだから、他の人は大丈夫だって。皆には見えてないみたいなの」