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『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第4章 白梅と月夜の友人


 それでも輝利哉はひなたに語り続ける。輝利哉がうわ言のように繰り返す母上…という響きは、悲しみを帯びていて誰もが胸をえぐられる思いがした。

「母上…お会いしとうございました。私は、あなたから託されたあの、白梅を…駄目にしてしまいました…お詫び致します…」

 涙を流しながら語る輝利哉に、ひなたはひと言も発する事ができずに、ただ輝利哉の涙を指で拭っていた。

 ひなたの目からも大粒の涙が溢れて、輝利哉の枕にぼたぼたと落ちる。不死川さんが苦しげに呟いた。

「…クソ…! 」

 輝利哉はやっとの思いで腕を伸ばして、ひなたの頬に触れた。

「母上、泣かな…いでください…母上…ごめんな…さい…」

「お…おじいちゃん…泣かないで…」

 ひなたは泣きながら輝利哉の頬に触れる。輝利哉はこの数日で痩せてしまった。

 皆のすすり泣く声の中、ひなたも泣きながら大好きな祖父の側にいる事しかできない。そんな自分がもどかしい。

「先生…」

 アオイさんもすすり泣いている。皆が回復を願って、輝利哉に呼びかける。

 輝利哉の主治医が到着して、診察を始めた。皆が見守る中、テキパキと動いている看護師さん達の丁寧な看護に縋り付きたくなる程、ひなたは無力な自分を感じていた。

 

 

 

 
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