第4章 白梅と月夜の友人
「ひなたのおじいちゃんが⁉︎送る!すぐ行こう」
紗奈に送ってもらって、産屋敷邸に着いたひなたは、おじいちゃんの部屋に駆け込んだ。
「ひなたちゃん!おじいちゃまに声をかけてあげて! 」
輝利哉の側にいた母が、目にいっぱい涙を浮かべてひなたに言った。
おじいちゃんの寝ている枕元には、お父さんお母さんとアオイさん、不死川さんと何人か知らない人がいた。
「ひなた。おじいちゃんがさっきから、うわ言でひなたを呼んでるんだ」
お父さんも泣いている。
ひなたは皆が見守る中、輝利哉の側に近寄った。
眠っている輝利哉は、少し眉根を寄せて苦しそうな表情を浮かべていた。
「おじいちゃん…遅くなってごめんね。家に帰ってたの。おじいちゃん目を開けてよ…おじいちゃんがいないと私…いやだよ…」
言ってからワッと泣き出したひなたを見て、部屋にいる皆の胸が締め付けられた。
「…ひなたや…ひなた……」
「先生!!」
不死川さんとアオイさんが同時に叫んだ。輝利哉の目が薄らと開いたからだ。
「……おじいちゃん!! 」
泣きながらひなたが輝利哉の顔を覗き込むと、輝利哉は少しだけ焦点のずれた瞳でひなたを見た。
「母上…母上…私はあなたにやっと、会えるのですか母上…」
輝利哉はひなたを見て涙を浮かべながら母上と繰り返した。
「父さん、ひなただよ!お母さんと間違えてる…」
ひなたの父の悲しげな声がした。