第4章 白梅と月夜の友人
次の朝、早く目が覚めたひなたは、日課のジョギングに行く準備をして家を出た。朝の6時だ。おじいちゃんの事が気になりつつ、まだ早い時間なのでもう少ししたら母に電話をかける事にした。
紗奈はまだひなたのベッドで眠っている。昨夜は色々な話をしながら一緒に寝た。紗奈は高校の時からの親友で、モデルの仕事を優先して学校を休みがちなひなたの友人でいてくれた。
クラスで浮きがちなひなたの事を、いつも支えてくれた親友である。
紗奈を起こさないようにそっと起きてウェアに着替えると、いつもの公園まで走った。
公園を何周かしてベンチに座る。朝の空気はキリッと冷えていて、気持ちが良い。
伸びをして腕を高く上げたところで、ポケットに入れている携帯が鳴り出した。
「もしもし、お母さん? 」
胸がドキドキする。こんな早朝に母から電話なんて。
「あっひなたちゃん!おじいちゃまの具合が良くないの」
「ほんと⁈すぐそっちに行くから!! 」
電話を切ってからダッシュで家まで走った。玄関を開けると、家の中は鎮まりかえっていて、紗奈はまだ眠っているようだ。
急いで部屋に駆け上がり、紗奈には申し訳なかったけれど、寝ていた紗奈を揺り起こした。
「ごめん!紗奈、起きて。私今からおじいちゃん家に行くの」
「すみませんっシェフ!!大鍋を洗ってきます!! 」
ひなたがいきなり揺すり起こしたものだから、紗奈はガバッと飛び起きた。
「…ああ…入社した頃の夢見てた…シェフに怒られてさ…」
ボッサボサの頭をワシャワシャして紗奈はため息をついた。
「どしたの?何かあったか? 」
「おじいちゃんが具合悪いって、お母さんから連絡があったの」