第4章 白梅と月夜の友人
夕方、ひなたの両親が来て、今夜は二人でここに泊まるのでひなたは家に戻る事にした。着替えも無かったし、約束もあった。
「ひなた、本当に一人で帰れるか? 」
不死川さんが何度も聞いてくれたけれど、不死川さんの家はひなたの家の反対方向だから送ってもらうのは悪くて、ひなたは元気に答えた。
「本当に大丈夫!それより、不死川さん早く帰って寝てね! 」
不死川さんの背中をパシパシ叩いて言うと、不死川さんは素早く避けながらほんのりと赤くなった。
「なんだァ、ひなた。じゃあもう少ししたら帰るから。ひなたも気をつけて帰れよ」
不死川さんはスラリとしていて脚が長い。モデルみたいだ。
不死川さんと話をしていたら、ひなたのお母さんがスリッパをパタパタさせて長い廊下を小走りにやって来た。
「ひなたちゃん、気をつけて帰ってね。お母さん着替え持ってくれば良かった。今からパパに言って一緒に取りに帰る? 」
「そうだァ。ひなた、俺が着替え取りに連れて行ってやるから」
お母さんに同調して不死川さんも心配そうに言うから、ひなたはクスッと笑ってしまった。
「大丈夫だよ。バスですぐだし、今夜は紗奈が来る事になってるの」
友達が、ひなたの服を貰いにくる事になっていた。モデル時代の服をデートで着たいと言うから何着かあげる約束をしていたのだ。
心配症な二人に手を振り、ひなたはおじいちゃんの事を気にしつつも、産屋敷邸を後にした。