第4章 白梅と月夜の友人
実弥と呼ばれた男性は、手短に話をすると部屋を出て言った。
「今の人は学校の人なの? 」
先生というには少し怖い雰囲気もあり、それ以上にかっこ良すぎる感じもした。
「彼は、さっき話した鬼殺隊で最高位だった人の子孫なんだよ」
さっきの青年が出て行く姿を見送っていた輝利哉が言った。
「不死川実弥。私が会った彼は、大正時代を生きた人だった。私は彼と友人だったから、彼の子孫ともずっと付き合いがあるんだ。実弥と会った時は、あまりにも彼と似ていて風柱かと思った程だよ」
「そんなこと、あるんだね」
「生まれ変わりかと思うほど、性質も似ている。実弥はこの学校で数学を教えてくれているけれど、私は彼に随分助けられているんだよ」
輝利哉はとても優しい輝利哉特有の笑顔でひなたを見た。
「子孫が先祖に似るのは珍しい事ではないのかもしれないね。ひなたも、私の母にとてもよく似ている。ひなたを見ていると、懐かしい母上と話をしているような気持ちになることがあるよ」
「私が? 」
ひなたは両親にほとんど似ていない。ひなたの父である国凛哉は、おじいちゃんに似ている。でもひなたはあえて言えば、おじいちゃんの姉妹のくいなとかなたに似ていると親戚に言われた事がある。その時に見せてもらった写真が90歳近い二人だったので、正直ひなたにはピンと来なかった。
おじいちゃんのお母さんは、白梅を耀哉に贈った女性だ。おじいちゃんにあまねの話を聞く度に、ひなたの中であまねの存在が大きくなっていた。
その、あまねに似ている事が、なんだかとても嬉しい。
「さて、5時になった。ひなた、今日はこのくらいにしておこう。今夜は天気が荒れるそうだから、早めに帰りなさい」
「おじいちゃん、今日は家に来ない? 」