第4章 白梅と月夜の友人
それから、産屋敷学校がお休みの土日を除くウィークデイを毎日、輝利哉の家へと通った。朝は7時には家を出て、麹町にある輝利哉の屋敷までバスで通う。
午前中はアオイさんのお手伝いをしてお昼ご飯の支度をする。学校を見学したい希望者の対応でアオイさんが外すと、ひなたは一人になってしまうのでその時は正直怖かった。
じゃが芋の皮剥きも時間がかかり、卵もうまく割れないからだ。
アオイさんは、ひなたの剥いたじゃが芋の皮がまだら模様になっていても、呆れる事なく時々吹き出しながら根気強く教えてくれた。毅然としているけど、とても優しいアオイさんにお料理を習いながら午前中はあっという間に過ぎる。
午後はおじいちゃんと一緒に盆栽の手入れをしたり、おじいちゃんとお話をして過ごす事が多い。
おじいちゃんは産屋敷家の歴史を少しずつ話してくれる。一度に話すと、ひなたが覚えられなかったり退屈しないように、毎日少しずつだ。
ひなたは初めて、産屋敷一族にまつわる歴史を知った。自分の家系の話なのに今までほとんど知らずに生きてきた。
平安時代にはあった公家の家系であること。一族の中に、ある時、自分の病弱さを苦にして、人としてあるまじき行為をして鬼となってしまった者が現れたこと。
ひなたは、鬼と聞いた時、伝説の類いだと思った。
生まれて今まで、節分以外で鬼など聞いた事もない。
「おじいちゃん、人間が鬼になるって、犯罪者の例えなの?お医者様を殺してしまったから」
「いや、違う」
輝利哉は悲しげに首を振る。
「鬼は確かに存在したよ。だから我々、産屋敷一族は、鬼に家族を殺された人と共に動き出した。それが鬼殺隊という組織なんだ」