第4章 白梅と月夜の友人
普段は一人で暮らしているおじいちゃんだけど、週に一二度はひなたの家で過ごす。今日も、輝利哉を連れて来るように母から言われていた。
一人でいる輝利哉が心配なので、毎回ひなたの父が迎えに行っている。
「国凛哉と繭子さんにありがとうと伝えておいて。今夜はお客様だから」
おじいちゃんは穏やかに答えた。
「もしかして、月夜の友人が来るの? 」
たまに、おじいちゃんが来られない時、おじいちゃんは『月夜の友人が来るから行けない』と言う事がある。
ひなたは、その友人がどんな人かは知らないけれど、きっと大切なお客様だと思ってきた。それ以外の用事であったなら、おじいちゃんはいつもひなたの家族に会いにくるのを優先してくれていたからだ。
「そうだよ。月夜の友人は気難しいからね、来たいと言われると断れないんだ」
そう言いながら、おじいちゃんはとっても嬉しそうな顔をした。
「大切なお友達って事ね。もしかして女性なの⁈ 」
思わず聞いてしまった。輝利哉は歳を取ってはいるけれど、きちんとした佇まいや上品な顔立ちや立ち居振る舞いの美しさから、なんだかとっても素敵な人に見えるのだ。
孫のジィッとした視線に、輝利哉はクスクスと笑う。
「月夜の友人は、若い男性だよ。素晴らしく立派な人なんだ」
「ふーん」
それ以上は語らなかっだけれど、輝利哉はニコニコと笑っていた。