第8章 ※ 誰を愛していたとしても…。
「…お前ェ、一体ここで何してるゥ…」
ドスのきいた声が耳元で聞こえた。ひなたは勢い余って不死川の胸元に転がり込み、不死川の手で支えられ…いや、捕えられていた。
「今日が柱合会議ってェ、知ってて邪魔しに来たってワケかァ…」
「ちがっ! 」
怖すぎて震えた。不死川さん、片手で箱を待ち上げてるのに、もう片方の手はひなたをがっちりと掴んでいる。
「この中に人が入ってるんだって!!隠の女の人が言ってるでしょう⁉︎ 」
不死川さん、この箱もろとも刺そうとしてる!
「人間だと…?笑わせるなよォ、おい! 」
見上げると、不死川の目がギラギラギラと光りまくっていた。刀みたい…。
ひなたは恐れで萎えそうになったけど、炭治郎君の大切な物みたいだから引けず、不死川さんを見返した。
至近距離で目が合うと、大好きな彼の顔だった。傷は多い。
「やめてください、あの人は炭治郎君なんだよ!竈門炭治郎君!不死川さんも知ってるじやない⁈ 」
「はァ?お前も狂ってんのかァ」
ひなたはハッとした。この不死川さんは不死川さんじゃないって、一瞬忘れちゃつた。
「鬼を庇うなら、お前も斬り捨てるだけだァ… 」
「やんっ! 」
恋人の不死川さんはそんな事言わないのに〜!!顔が同じでもこっちは酷い!
「とにかくひなたはどけェ。金輪際、ジャマすんな」
不死川の腕力で向こうに弾き飛ばされるかと思った時、ひなたの肩に温かな手が触れて引き寄せられていた。
「不死川、俺の継子に乱暴するな」
「煉獄さん! 」
不死川の前に、杏寿郎が立っていた。
「ひなたがお前の継子だってェ?だったらきちんと教育しろよ馬鹿がァ。それとも、お前もこいつと一緒で鬼を斬るなと言いたいのかァ…? 」
不死川の鬼の形相は、その場を圧倒する迫力があり、思わずひなたは耳を押さえて泣きそうになった。
「竈門炭治郎という名前の少年を、俺も探していたところだった。ある人に頼まれてな」
杏寿郎はひなたを自分の側に置いた。
「ひなた、あの少年を知っているのか? 」