第8章 ※ 誰を愛していたとしても…。
「…は…あっ…ぅううっ」
布団の上で美也子は苦しげな声をあげていた。杏寿郎によって翻弄された身体が熱を放つ。
うつ伏せにされ、腰を持ち上げられて猛った雄の杏寿郎に襲われている。
「ああ…!!っっっつつつあああああああっ!!」
美也子の身体を後ろから抱いた杏寿郎が腰をぐいぐい入れると、汗を流しながら美也子は叫び声を上げた。
「…杏寿郎様!美也子を、美也子を離さないで下さいませ! 」
杏寿郎の熱を身体に受け、大きく喘ぎながらも、美也子は杏寿郎に懇願し続けていた。
「ああっ、あっあっああんっ!杏寿郎様!! 」
その声に煽られるように杏寿郎の動きは激しさを増していき、美也子の身体は宙に浮くほど上げられる。杏寿郎の両腕に捉えられ、布団に押し付けた顔は、そこ知れぬ快楽に歪む。
涙でぐちゃぐちゃに濡れ、杏寿郎を受け入れ狂ったように喘ぎ、夢中で杏寿郎を呼び続ける。
「美也子に美也子に刻みつけてください…!! 」
杏寿郎の愛を受け入れるのは自分だけだと思いたかった。不安で堪らない。
この前、煉獄家の前で見た女の子は誰?杏寿郎様は弟子をお迎えになったと聞いていたけれど、女子だとは思ってもいなかった。
弟子とは寝食を共にするのでしょう…?不安で堪らない。
杏寿郎様のお心を繋ぎ留める為、美也子は身体で杏寿郎と繋がろうとした。
それまでは、口付けさえした事はなかったけれど、杏寿郎の前で着物を脱いでみせた。花嫁候補の中では、美耶子が一番、杏寿郎に近い。幼馴染であり、杏寿郎と仲が良かったからだ。
杏寿郎に憧れている深窓の御令嬢ならば沢山いるが、その中でも影響力のある自分が、杏寿郎の妻には相応しかった。
「杏寿郎様、美也子は良すぎて気を失ってしまいそうです…」
抽送を続ける杏寿郎に、うっとりとした瞳を向けると、汗を流して腰を動かす杏寿郎と目が合い、惚れ惚れするような杏寿郎の身体に酔いしれた。
「美也ちゃん。どうして…そんなに女の姿を俺に見せる…」
「…っ好きだ…から…。杏寿郎様を、誰にも…渡さない…ああっ!! 」
一際、深く挿れられ大きく喘ぎを上げた。
杏寿郎の愛を受け入れているこの時間は、誰よりも杏寿郎を独り占めできている気がした。
杏寿郎様との結婚…。幼い頃から美也子が夢みた願いを、誰にも邪魔されるわけにはいかない。
