第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
「ひなたちゃんの動きが、隊士さまのよう! 」
「えっ本当に⁉︎ 」
鞠をドリブルするひなたの動きが意外過ぎたのか、子供達は目を丸くしていた。
「ひなたちゃん、鞠を投げてみて! 」
輝利哉君に言われ、その可愛さに思わず抱きしめたくなる。ひなたはとろけそうな笑顔になっていた。
「良いよ!輝利哉君っ、見ていてね! 」
「はい! 」
お爺ちゃん…もう、小さな頃から女性をメロメロにするんだから〜!
お爺ちゃんの可愛いすぎる幼少期を見る度に、幸せになってしまうひなただ。
もちろん、五つ子みんな可愛い。可愛いすぎて、愛おしくて堪らない。
「あーっ!可愛いッ! 」
言いながら投げた鞠は、想像以上にぶっ飛び、庭のだいぶ向こうにある松の、素晴らしい枝にぶつかり、勢いよく跳ねた。
「わーーーっ! 」
松の近くをゆっくりと散策していた産屋敷亜貴光さんが叫ぶのが聞こえてきた。
「誰だね!⁉︎こんな野蛮人が産屋敷にいたのか! 」
ひなた達は驚いている亜貴光さんに申し訳なく思いつつ、面白くて笑ってしまった。
「ひなたさん!君は、顔はあまねさんだが、中身は誰に似たのだろう? 」
こちらに来た亜貴光さんは、参ったという顔をしていた。
お上品な紳士である産屋敷亜貴光さんは、産屋敷の中にこんなお転婆がいた事が信じられないみたいだ。
「亜貴光さん、ごめんなさい。こんなに飛ぶと思ってなかったの」
亜貴光さんはスーツのポケットからハンカチを出して額を拭った。
「杏寿郎君の指導は大したものだ。ひなたさんに隊士見習いなど無理だと思っていた事を謝らないといけないな」
かなたちゃん達は笑いながら聞いている。
亜貴光さんの言葉を聞いているひなたもまた、驚いていた。
もともと、運動は苦手ではないけれど、こんなに素早く動けるようになっていたなんて。それに、大して力を込めたわけではなかったのに、鞠は凄く飛んだ。
「いやはや…。鬼殺隊とは恐るべき組織ですな…」
亜貴光さんが家に入って行って、ひなたと子供達は、さっきの遊びの続きをした。