第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
ぱくり。ひと口かじった。炊き立てのお米はもっちりとしていて、甘い…。
「甘っ!! 」
「む⁈ 」
おむすびから顔を離して、目を丸くしているひなたを見て、杏寿郎は驚いた。
予想していたのは、ひなたの可愛い笑顔だった。
「どうした? 」
ひなたは、おむすびを杏寿郎の方に見せた。
「このおにぎり、甘いよ!煉獄さん、お塩で作らなかったのっ? 」
ひなたはびっくりした。スィーツおにぎりは初めて口にした。
「そんなわけないだろう」
と言いつつ、杏寿郎もぱくりとひと口、かじってみた。
「甘いな」
「だよね⁉︎ 」
甘いおにぎりなんて初めて食べた。
「なんで間違えるんですかぁ…」
塩の程良く効いたおにぎりを期待していただけに、ガッカリが大きくて、ひなたはおにぎりを竹の皮に戻した。
「不味かったか。それなら俺が食べる」
杏寿郎はひなたのおむすびを取ろうと手を伸ばす。
ひなたは慌てておにぎりを手に取った。
「食べないって言ってないもん」
「無理するな」
杏寿郎はひなたの手からおにぎりを奪おうとする。
ひなたは、さっと手を上げて阻止した。
杏寿郎の目が開く。ひなたの身の躱し方が上手くて、少し驚いた。
「お腹空いてるから食べるよ。スィーツおにぎり! 」
もうひと口、かじろうとしたひなたの邪魔をするように、杏寿郎は腕を引っ張る。
「…っあっ!! 」
「ははは、遅い!! 」
パクリっ!杏寿郎がひなたのおむすびを食べ、元気に笑ってみせた。
「あーーっ!ずるいよ!煉獄さんのあるでしょうっ! 」
ひなたも、煉獄さんの手にしているおにぎりに顔からダイブしてかじる。
「やめろひなた!俺は君の師範だぞ」
普段、そんな事をされた事のない杏寿郎は、驚いている。