• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え


「ひなた。随分走ったようだな! 」

「えっ…⁈ 」

 足元の草がサワサワ揺れて、影が差したと思ったら師範の声がした。反射的に顔を上げると、師範がこちらを見下ろしている。

「どうした?泣いているぞ」

「…っ煉獄…さん! 」

「む? 」

 ひなたは立ち上がると煉獄さんに抱きついた。この草原で消えた煉獄さんが目の前にいる。抱き付かずにはいられない。

「…煉獄さん、どこにも行っちゃやだ…。消えないで…」

 しくしく泣きながら涙声になっていた。

「…いなくなったのは君だろう。ひなた」

 煉獄さんの静かな声がした。

「お館様を訪ねて行ったら、君は家に帰っていた。お館様はあの時、自分ももうひなたには会う事はないと寂しげに仰っていた」

「今朝も庵から消えたな」

 優しい声で師範は言った。

「ごめんなさい。早く目が覚めたから、やる気出ちゃったの」

 嘘だけど、煉獄さんが近くにいる事が嬉しかったから急いで涙を拭いた。

「そうか!ここまで来るとは驚いた。呼吸を上手く使って走ったんだな」

 杏寿郎はひなたの頭をよしよしと撫でた。ひなたは驚いて目を上げる。

 煉獄さんが優しくてビックリしたからだ。

 普段も優しいけど、鍛錬で頑張ったからといって頭を撫でてくれたのは初めてだった。

「ひなた、腹が減っているだろう。良い物をあげよう、目を閉じて」

「うん」

 ちょっとドキドキした。頭を撫でてくれた後に目を閉じたら、ドラマでは唇が降ってくる、事もある。

 



 
/ 405ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp