第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
「こっっ…こういうの、は…っ」
…とっても温かい。寒さによる震えは改善された。でも、今度は声が震える。
「…む? 」
煉獄さんは緊張しないのだろろうか…。19歳のうら若き女子と男子が、服も纏わず温もりを共有しているというのに…。
いや、堅い言葉で言ってしまったが、これって限りなくエッチな状況ではないの⁈
ひなたの頭の中は、この先の師範の行動がどう出るのか、師範が自分を欲してきた時には要求に応えるのか、あらぬ事ばかりが脳内を駆け巡っていた。
「む?まだ、寒いか? 」
煉獄さんが心配そうに尋ねてくる。わざとではないと思うけど、ひなたの耳元で囁くものだから、ひなたは煉獄さんの醸し出す色香の沼にズブズブとはまりそうになった。
「ちっ、違う…」
「ん? 」
心配そうに顔を覗き込むのはやめてっ!
「その…。れ、煉獄さんは慣れてるの?こここ…こういうのっ⁉︎ 」
平常心で話せという方が無理だった。
ひなたの上ずった震え声に、師範は少しの間沈黙した。一、二秒だけど。
「俺は、君といる時間は全て、君を育てる為の時間だと考えている」
杏寿郎はひなたを胸の中に抱いたまま語る。
「ひなたはもう、俺の継子なんだ。だから君が俺の元を離れて一人前の隊士となるまでは、君は俺の監視下にあるという事だ。寒い時に君の身体を温めるのは当たり前だと思う。俺は体温も高い」
「そう…なの…? 」
…そう言われちゃうと、師範に守られているんだなと思う…。
だけど、ドキドキが止まらないんです…と、ひなたは思った。
ぎゅっとされてるから、手の置き場に困る…。
とりあえず、人形のように抱かれてるけれど…。
「じゃあ、煉獄さんは」
「なんだ! 」
ハキハキっと返事する煉獄さんに尋ねてみよう。
「煉獄さんはさ、鬼殺隊士の女の子が、寒くて服を着てなかったとしたら…したら今みたいな温め方をする…の? …」
…それは辞めた方が良い。刺激が強すぎるし、こんな事されたら好きになられても仕方ないもの…。