第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
煉獄さんの顔を見ると自然に、広い肩幅とか厚い胸板とか、その他の所までが目に入ってくる。
「お、起こし…ちゃった…? 」
男の人の裸の肌は、モデルの撮影以外のプライベートでは、不死川さんの他には見た事がなくて、ひなたはどきっとした。
「いや。大丈夫だ。それより、どうした? 」
じっと見られると、頬が紅潮しそうになる。…してそうだ。
「ちょっと寒くて。眠ろうとするけど、なんか起きちゃうんだ! 」
照れ隠しで、ちょっと元気に言った。煉獄さんに見つめられると照れる。
「…そうか…。待っていろ、今、薪を燃やしてくる」
勢いよく起きようとした煉獄さんを慌てて止めた。
「これで充分!いっ、いいの!薪は残り少ないし、大切に使お!煉獄さんも寝て!ね⁈…」
煉獄さんの腕を掴んでいる…。裸の腕だと思い出し、パッと離した。
煉獄さんは少し考えていたけど、頷いた。
「よし!それならば、ひなた」
「ん? 」
煉獄さんは自分に掛けていた布を上げ、ひなたを自分の方へ引き寄せた。
「…っあ⁉︎ 」
ひなたはそれまで冷えていたのに、一瞬でちょうど良い温もりの中に包まれていた。そこは杏寿郎の胸の中で、温かい煉獄さんの体温に全身がくるまれる。
「女性は身体が冷えやすいと聞く」
ひなたの心臓の音が聞こえないのか、煉獄さんは静かに言った。
「君は冷たい滝壺に入ったから。やはり冷たいな」
ひなたが緊張しなくて良いように、穏やかに話しをしてくれているのだと、気がつくまでには時間がかかった。温かく包まれ、気持ちが良いのと、煉獄さんの身体に密着しているのが同じく裸の自分って事を、猛烈に意識してしまっていて…。
…心地良い…けど…これは…。
煉獄さんの肌から熱が伝わってきて、さっきとは違う震えに襲われてしまいそう…。