第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
…こんな身体して、優しくてかっこいいんだもん…。(心の声)
ひなたの心の声は煉獄さんには聞こえてない。煉獄さんは黙った。考えているようだ。究極な質問過ぎたかな。
「わからん!! 」
ハッキリと言った。
ひなたの頭上にある煉獄さんの唇から、迷い無き言葉が降ってくる。
「今、ひなたにそう聞かれて、その場の状況次第だと答えようかとも思ったが、何か違う気がした。状況、と言うより人次第。が一番近いだろう」
「…うん」
「ひなたには、できる。さっき話した通りだ」
「継子だから? 」
「そうだ。震えが止まったな」
煉獄さんの声は優しかった。
「だから、安心して寝て良い。君が眠っている間は俺が守っている。君は俺が怖いからそう聞いたのだろうが、俺は君に何もしない。君は継子であり、俺の友人だからな。心配は無用だ」
なんだか、ドキドキしてるのは自分だけだったと思ってしまった。煉獄さんがエッチな師範じゃなくて良かったけど、ひなたを何とも思ってない事もまた事実だったんだって、そう思って。
煉獄さんは柱だから。師範だから。
人間性も、きちんとした人だから当たり前なんだ。
ひなたはどこか複雑な思いを抱えて目を閉じた。
…分かってる。こんなに優しく温めてくれた事に感謝しなければって。
ひなたはそれ以上、何も言わずにいた。煉獄さんも何も言わなかった。
暖かさを感じて、うとうとし始める。ひなたの身体からは力が抜けていき、本格的に眠りに入ったのを確認すると、杏寿郎はひなたの髪を撫でた。
小さな子にするように、大きな手で優しく触れる。
そうすると、夢心地のひなたは無意識に、杏寿郎に近づいていった、
もっと温もりを確かめるように。
それまで下ろしていた両腕を、必死で杏寿郎の身体に回した。
まるで、杏寿郎を求めているみたいに…。