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『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え


 滝壺の脇で、修験者の服に似た服の水分を絞ると、逃げずに頑張って良かったと思った。

「その気持ちが次に繋がる。君は一つずつ、壁を突破している。新しい世界だろう」

 杏寿郎の言葉が、ひなたの胸を突き刺した。

 …今の言葉…新しい世界って…。

 冨岡社長が言っていたのは、こういう事なのかな。モデルとしての自分に足りないもの…新しい世界…。

 おじいちゃんも、私に新しい世界を見せたいって言ってなかった?

「ひなた、どうかしたか? 」

 黙り込むひなたに杏寿郎が尋ねる。覗き込むようにひなたの方に身を屈めた師範に、ひなたは訴えた。

「煉獄さん、私、もっと、新しい世界が見たい」

 杏寿郎を見上げ、ドキドキしながら言ってみる。

「ひなた、鬼殺隊に入れ。同じ世界を見よう」

 ひなたを見つめて、杏寿郎は艶のある良い響きの声で言った。

 杏寿郎の赤い、燃えるような瞳がすぐ近くにある。強く輝いているその輝きから目が逸らせなかった。

 杏寿郎もまたひなたの瞳を見ている…。


「兄上!ひなたさん! 」

「…む? 」

 声のする方に顔を向けた杏寿郎は、急いで水の中へと飛び込んだ。

「あーっ!千寿郎君っ!! 」

 ひなたが飛べたから、千寿郎も自分を試したくなったのかもしれない。飛び出すように宙に浮いた千寿郎の身体が、凄い勢いで水に叩きつけられる。

「千寿郎!! 」

 杏寿郎の声を追いかけるように、鱗滝の声も響いた。

「千寿郎! 」

 杏寿郎によってすぐに水から引き上げられた千寿郎は、水の衝撃にびっくりしたものの、自分の意思で飛べた事が嬉しかった。

「千寿郎、大丈夫か⁈ 」
「兄上、僕も、飛べました! 」

 千寿郎は腕の中で嬉しそうに言って、杏寿郎は頷く。

「千寿郎は頑張ったぞ。お前は何でもできる…」

 千寿郎をぎゅっと抱きしめた。自分は、守るべき大切な人が沢山いる、その幸せを噛み締めながら。

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