第3章 必要とされないモデル
美少女と言われた自分。大人の女性に変わっていく過程で、モデルとして刷新しなければならないという焦りはあった。
社長はひなたの瞳を見つめた。
「ひなたは綺麗。大好きよ。いい子だし感性もある。だけど、今のひなたは何か欠けてる。モデルとしての需要はこれから減っていくでしょう。今、社会を見る良い機会よ。狭い世界にいないで、遠くを見ておいで」
優しい言葉なのか突き放されたのか。混乱しているひなたには社長の言葉に頷く事などできなかった。
「やだ!!やだやだ!!嫌です!!私からモデルの仕事を取ったら、何もありません!!…社…社長だって知ってるでしょう⁈
私、勉強しますから!何でもやりますから、大人のモデルになれるように努力するし、事務所で、何か別の事しながら、モデルの勉強続けますから!!……お願いします…」
泣いたらメイクが崩れるから、歯を食い縛って耐えた。
でも、身体中から悲しみが絞れる位、悲しくて悲しくて、社長に前言撤回して欲しかった。
…冗談…みたいだ……。
ひなたの悲しみのこもった声に、富岡社長も一瞬、泣きそうな目をした。
「ひなたが嫌いで言ってるんじゃない。ひなたをモデルとしてボロボロにしたくないから言ってるの。私は、沢山のモデルを見て来た。もう、本当に駄目になる人もいた。
ひなたには明るい方を歩いて欲しいの。私の側で秘書の仕事をしたとしても、それはあなたの生き方として良いとは思わない」
ひなたは社長の言葉に縋り付く。
「花澤建設のイメージガールは⁈ あの仕事は毎年私のお仕事です。カレンダー撮りは来月の予定です! 」
社長は目を伏せた。ひなたを納得させるには、あまりに辛い真実を突きつけないといけない。