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『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え


 広い煉獄家の中の、裏庭に面した場所に茶室がある。苔蒸した岩や緑色の紅葉、自然な風景が造られた茶庭を、茶室の中から眺める事ができる。

 その隣の部屋がひなたに与えられた部屋だ。だから窓を開ければ近くに蹲(つくばい)や美しい庭を感じられる。涼しげな水音がして、精神的にとても落ち着く場所をもらえた。

「部屋は気に入ったか? 」

 何か足りない物がないか、ひなたの部屋に見に来てくれた煉獄さんと千寿郎君と、並んで窓辺に立っていた。

 夏だけれど、日陰になる場所だからとても涼しい。生垣や植樹を通り抜けて来る風は、爽やかな空気を運んで来てくれるようだ。並んで庭を眺める兄弟の、長い金髪を僅かに揺らしている。

 同じように揺れている髪が綺麗で、ひなたは見惚れていた。

「ひなたさんの部屋は涼しいですね。この部屋にして良かったですね、兄上」

 千寿郎君が煉獄さんを見上げている。煉獄さんは、そんな千寿郎君に微笑んだ。

「千寿郎の部屋の隣も良かったが、こちらの方が静かで良いな」

「はい。兄上の部屋のお隣ですね。それも安心です」

「うむ。千寿郎、俺がいない時はひなたを頼むな」

「はい、兄上」

 兄弟は、ひなたを連れて来る前にも、こうやって話し合ってくれていたのだろう。ひなたが来た時には、すぐに生活できるだけの家具なども揃えられていて、初めて部屋に入った時には、可愛らしい椿の赤い花が生けてあった。

 ひなたを客人として大切に出迎えてくれたこの家の人の事を、好きにならない筈はなく、初日からひなたは、煉獄さんと千寿郎君、そしてお手伝いの萩さんの事が好きになっていた。

「このお部屋、旅館みたいに素敵だけど、自分の部屋って思えるの。凄く落ち着くよ。煉獄さん、千寿郎君、ありがとう! 」

 ひなたは二人にお礼を言った。ひなたの部屋の隣は杏寿郎の部屋である。それも安心するな…と思いながら。
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