• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え


「ひなた、明日からは竹刀を使った鍛錬を始めて行こう」

 槇寿郎の部屋を出るなり杏寿郎は言った。声に少しの嬉しさが滲んでいる。ひなたを煉獄家に連れて来るにあたり、一番気になっていたのが父の事だった。

 父はひなたの事を拒絶しなかった。継子として、この家の中で生活する事も認めてくれた。明日からは、師匠として思い切り声を張り上げ指導する事ができそうだ!最大の難所を通過したような気分だ。

 父に対するひなたの挨拶も、なかなかに可愛らしかったと思う。ひなたから見て父は目上の男性だが、口元に微笑を浮かべて丁寧に頭を下げる仕草は、やはり産屋敷家の人ならではの作法が身についている。

 杏寿郎はひなたの顔に視線を移す。返事がない。

「ひなた、どうした? 」

 杏寿郎に顔を覗き込まれて、ひなたははっとした。

「は、はい!宜しくお願いします」

 今まで、槇寿郎という人と僅かな時間でも話をしていたのだ。緊張感から開放されて返事が遅れてしまった。槇寿郎は最近まで炎柱をしていたというだけあり、多くは語らずとも放っている圧は凄かった。


 挨拶をしただけで、少し震えてしまう程、ひなたは緊張してしまっていた。

「ひなた、父は初対面では少し怖く感じるかもしれないが、本当は優しい人だ。君の事も認めてくれた事だし、明日から、共に頑張ろう! 」

 ひなたの肩に杏寿郎の手がポン、と乗る。

「はい! 」

 とは返事してみたものの、明日から何が始まるのだろうかと不安になった。

 でも、肩に置かれた手は大きく温かくて、煉獄さんについて行こうという気持ちが湧いて来る。

 そのために来たんだもの。

 ひなたはまだ誰にもその事を話していないので、心の中で一人呟いた。
/ 405ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp