第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
「厳しい事を言ってしまったね。ひなたの気持ちは嬉しいよ。前にも話したけれど、ひなたには本来、君がいるべき場所がある。それでもひなたは隊士になりたいのかな」
ひなたは頷いた。
「煉獄さんの、継子にならないと、ダメだから…」
今のひなたには、煉獄さんに生きてもらう方法が、それしかないような気がした。とにかく時間がないのだ。
「私も強くなって、煉獄さんを守る…」
呟くように言ったひなたの顔に悲壮な覚悟が潜んでいるのを、耀哉とあまねは感じ取っていた。
二人がひなたをそっとしておく事にして屋敷の中に入ってしまうと、ひなたは一人になって庭を歩きだした。
色んな不安があるものの、動き出そうとはしている。声に出して自分を励ましてみた。
「煉獄さんは継子にしてくれるって言ったもの。頑張る! 」
「おい、マジかよ」
「…ひっ⁉︎ 」
後ろから声がして飛び上がる。いつの間に、側に来ていたのか全く気がつかなかったが、宇髄天元が真後ろに立っていた。
「い、いつからいたの⁉︎ 」
「一人で歩いてたからつけた。それより何だよ!煉獄の継子って。俺は何も聞いてないぞ! 」
宇髄は憤慨した顔をしてひなたを問い詰める。
「毎日会いに来た俺を差し置いて、煉獄の継子になるのか。派手に反対するぜ」
宇髄がどうして怒っているのか、ひなたにはよく分からなかったけど、聞いてみる事にした。
「宇髄さん、聞いてもいい? 」
「何だよ。俺には継子はいねぇ」
宇髄は腕を組みひなたを見下ろしている。少し怒っているからか、眉間に走る縦の線が怖い。端正な顔に浮かぶ不機嫌な表情が色っぽくも見えた。
「あのね、これは知り合いの話だよ」
「ああ、聞いてやる」