第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「大事な、ところ…? 」
「女の、大切な場所あるだろ⁉︎…ほらここ」
と言って宇髄は自分の股の部分を指した。
「ああ!……はい…」
ひなたは赤くなる。この人は、鬼が自分を暴行したかを気にしてくれていたんだ…。
「爪で…」
「爪がどうした⁉︎ 」
男性に言うのは恥ずかしいけど、鬼殺隊として被害を尋ねているのかもしれない。それに、宇髄が純粋にひなたの身体を心配してくれているのが、宇髄の身体からビンビン感じられる。
ひなたは思い切って話す事にした。
「指と爪で、服の上から何度も擦られました。でも、デニムが厚かったから、ちょっと痛かったけど、大丈夫でした。ここは怪我してないです」
「…ほんとか!…良かった!! 」
宇髄は心底安心した。もしも、傷つけられていたなら、自分が面倒をみる覚悟もした上で尋ねたのだ。
…怖い思いはしたが、良かった…。
「ありがとうございます。宇髄さんに助けてもらったから…」
まだ元の笑顔は戻らない。それでも、助けてくれた宇髄にお礼が言いたかった。
少し、伏せ目がちな目の前の女の子を見ていると、宇髄の中に新たな感情が芽生えていくのを感じる。
「少しずつ…元に戻ってくんだよ。俺は、今まで沢山の人を見てきたから分かる。皆、生きていくうちに辛い記憶を塗り替えていく」
「ひなたも幸せで塗り替えてやれよ。…嫌な記憶を全てな」
宇髄の大きな手の平が、ひなたの頭に触れた。よしよし、するみたいに撫でる。
「うん」
「じゃあ、また来る」
今までひなたの目線に合わせてくれていた背を伸ばすと、ひなたに影ができる程、背が高い。
「い、いつ来るの⁈ 」
思わず尋ねてしまった。宇髄の笑顔に触れると、安心する。
…助けてもらったからかな…。
「ん?また明日、派手に参上するわ」
そう言ってひなたを安心させてから宇髄は帰って行った。