第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「まだ、話すのは難しいか」
宇髄はくっ付けていたおでこを離した。宇髄が来た時、庭に置かれた椅子に一人で座り、ぼんやりと目の前の景色を眺めていた女の子。
…鬼に遭遇して襲われれば、そうなるよな。
宇髄は数日前の夜、ひなたを助けた時の事を思い出していた。
草むらに踏み込んだ時、ひなたはぐったりとしていた。大抵の人間が、襲われた時には傷つき、酷い状態になっている事は多い。切り裂かれ、腕や足を失っている人もいる。
ひなたを見た時、鬼にいたぶられていた形跡があった。それは喰いたい、という欲求と同じ位、ひなたの身体を弄びたい鬼の意図がありありと見えた。
胸や下半身に、鬼の触れた跡があったからだ。
宇髄は気になっていた。
「それで、傷の方は大丈夫なのか?…まだ痛むとか…」
はっきりと聞くのは躊躇われる。鬼はこの子をどこまで傷つけたのか…男性である宇髄には聞きにくい。
「傷は…どこにある?俺、急いで連れて来たからよく見えなかったからさ」
ひなたは顔を上げた。
「あっ、お礼も言わないで…すみません!…私の傷は、一番深かったのが腰の所で、あとはお腹と…上半身に何ヶ所かあります」
宇髄が来てくれたから、それ以上、傷つけられていなかった。
宇髄はひなたの方に身を乗り出すようにして尋ねる。
「じゃ、他にはないんだな⁉︎…」
宇髄は少し赤くなり、思い切って言った。
「大事な所は大丈夫だったんだな⁉︎ 」
「え? 」
二人は見つめ合う。