• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

『鬼滅の刃』桃寿情炎シリアル

第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら


「ひなた。目が覚めたかい? 」

 重たい瞼をやっと開けると、懐かしい響きの声がした。

「ひなた…。良かった…! 」

 もう一人。これは、あまねの澄んだ声だ。

「…っ…うっ……! 」

 ひなたの両目から涙が溢れてくる。二人は、覗き込むようにしてひなたの顔を見ていて、それがひなたに、もう安全だと教えたからだ。

「怖かったろう…。もう大丈夫だよ。おやすみ」

 耀哉がひなたの髪を撫でる。優しく繊細な指先…耀哉の向こうに懐かしい部屋の内部が見えた。前にひなたが滞在していた部屋だ。

「ひなた。怪我をしているから、急に動いては駄目よ。お館様が仰るように、今はまだ、身体を癒しましょう」

 ひなたはこくりと頷いた。涙が頬を伝う。

 何か話したいけど、強いショックを受けたからか、言葉がすぐに出なかった。
ただ、胸と腰、腹部に刃物で斬られたような痛みと、身体全体に重たい痛みがあった。

「…わたし……」

 そこまで言うだけで胸が苦しくなってしまった。思い出したくないのに、あの鬼の男がひなたにした事を思い出してしまう。

「ひなた。君は無事だった。身体にも異常はなく、怪我が治ればまた元気になれるよ。だから、君に起こった事を思い出して苦しまないで」

 耀哉の瞳は、ひなたに対する慈しみで瞬いている。不幸にも鬼に遭遇してしまった可愛いひ孫の、身体と心の傷が早く癒えるよう、心を込めてひなたを見つめている。

「君をここに運んで来てくれたのは、天元だよ。鬼殺隊で音柱をしている。ひなたも前に会ったね。覚えているかな?…天元は、君を抱き抱えて走って来てくれたから、君の治療がすぐに出来たんだ。おかげで、傷も残らないと言われたよ。安心して、今は眠りなさい」

 

/ 405ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp