第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
バスルームを借りてシャワーを浴びた後でリビングに行くと、先にシャワーを浴びて着替えをした不死川がキッチンにいた。
ひなたの姿を見ると微笑む。
「何か食おうか。さっきコンビニで買ってきたやつもある」
「うん!お腹空いた」
キッチンは殺風景でがらんとしている。生活に最低限必要な物は見受けられるけど…。コーヒーメーカーとかレンジとか炊飯器などはある。でもフライパンとか鍋とか、普通にキッチンに置いてありそうな物はなかった。
収納庫がけっこうあるから隠してあるのかもしれない。片付けられた部屋を見て、ひなたはそう感じた。
キッチンの作業台に、コンビニの袋が置いてある。不死川は中から、二人で選んだサンドイッチとお弁当とお菓子を取り出した。
「ひなたはサンドイッチ? 」
「卵サンド。と、そのサラダと白玉抹茶ムース」
「あ、美味そう。これ半分するやつなァ」
カップに入った小豆が添えられた白玉抹茶のムースを手に取って言った。これは半分こにしようと言って買った分。
お弁当を温めている間に、不死川はお茶を淹れてくれた。
耐熱ガラス製のティーポットを取り出した不死川が、引き出しからお茶の葉の袋を出した。
慣れた手つきでサラサラと、ポットに茶葉を入れる。
不死川が何げなく置いたお茶の袋を見て、ひなたはハッとなった。
「不死川さん、そのお茶カナエ先生からもらったの? 」
先日、カナエがおじいちゃんに持ってきてくれた美味しいお茶と同じパッケージだった。
「…ああ。これ、うん」
不死川は短く言ってから茶葉を引き出しにしまった。なんとなく、この話を広げたくない不死川の雰囲気を感じて、ひなたはそれ以上聞くのはやめておいた。