第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「んんぅ…んっ…」
ひなたから可愛い吐息の声が漏れている。不死川の清潔な香水の香り…鼻腔をくすぐるセクシーな香りの中で、口内を舐められ身体の力が抜けていく。
不死川もキスに没頭している。余裕のある大人だと思っていたが、自分でも驚く程に必死でひなたの唇を味わっていた。
…まるで初めての時みたいだな…。
女性に触れるのは慣れている筈なのに、ひなたの前では緊張していた。
…このまま…ここで…。
ソファーはゆったりしたサイズなので、このままの流れで押し倒してしまおうかと、焦りの為一瞬、そんな考えが頭を掠めたが、やはりベッドに連れて行くのが礼儀だと思い直す。
「ひなた。俺のベッドに行こうか…」
うっとりと、身体を預けているひなたに囁いた。唇を離し、でもまだ合わせたい衝動に悩ましくなりながら、ひなたの唇を見つめている。
「…不死川さんの、ベッド…? 」
「ああ」
「うん…」
ひなたは腕を回して不死川の首にかける。不死川はひなたの身体を抱き上げると、ソファーから立ち上がる。
リビング側に近いドアを開けた。
「不死川さんの部屋? 」
「寝室な」
こちらはシンプルながら不死川の趣味が反映された部屋だった。全体にグレーと黒で纏められた室内。壁紙はベージュで落ちついた色調で、ベッドやカーテンなどは上品なグレー。机や椅子などは黒で、本棚には様々な本が並び、知的な雰囲気が漂う。
不死川はベッドにひなたをそっと降ろす。
ベッド脇に置かれたフロアライトを点けると、部屋がほわっと暖かな色になる。
照明は少し暗めにして、不死川は机の引き出しから何か取り出した。
「おしゃれな部屋…。不死川さんらしい部屋だね」
窓辺に置かれたトラノヲの大きな鉢が生き生きしている。ベッド脇には黒のアイアンの棚と、植物の置かれた台座もアイアンで素敵だ。
男の人の部屋に入るのが初めてなので、珍しくて見回した。不死川が普段、一番寛いでいるに違いない場所…。プライベートな空間にいる。