第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「あ、ありがと」
「部屋まで運ぶから」
不死川の持っている洗濯物を受け取ろうとしたら不死川は歩きだした。ひなたも一緒について行く。
少し日が暮れかけている。このくらいの時間はなんだか切なくなる。今日はお母さんもいないし、お父さんもまだ帰ってない。輝利哉はきっと部屋だろう。
お昼と違って静かになったお屋敷は、清冽な静けさに満ちていた。
「みんな帰ると静かになるなァ」
廊下を歩きながら不死川が呟いた。
「いつもちょっと寂しくなるの。賑やかなのに慣れたら、皆がいないと寂しくて」
不死川は洗濯物を入れておく部屋の襖を開けた。
シーツとかタオルとか、学校で使うリネン類が置いてある。
綺麗に用途別に並んだ棚。アイロンをかけたり畳んだりする作業台の上に不死川は洗濯物を置いた。
「ありがと」
「いや」
ひなたはタオルを幾つか畳むと棚に置いた。お母さんが帰って来るまでに終わらせておこうと次のタオルに手を伸ばした時
不死川がひなたの手に触れる。
「あ…」
握った手に寄り添うように不死川は、ひなたのすぐ側に立つ。
「…怖い? 」
ひなたの髪にキスできるくらいに唇を近づけて、静かに囁く。
「今日、ずっとこうしたくて、二人になるの待った…」
ひなたはドキドキしてきた。お昼の続きみたいな、不死川とまた二人だけのこの部屋の中で、不死川にまた触れている。
「ひなた…」
不死川の腕がひなたを包み、ひなたはドキドキし過ぎて言葉が出てこなくなっていた。