第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
不死川にも、話に聞いただけだが高祖父がいる。
不死川実弥。
不死川と同性同名のひいひいおじいちゃんだ。確かその人は、鬼殺隊とかいう組織で働いていたらしい。
鬼殺隊を率いていたのが産屋敷家で、ひなたはその末裔だ。産屋敷家と不死川家も、古い縁があるのだ。意識していなかったが、ひなたを見ていると両家の繋がりを改めて感じた。
「そんな事があったなんて、知らなかった」
高祖父は風柱という役職名で呼ばれていた人だと聞いた事があったが、ひなたの話してくれた炎柱という言葉は初耳だ。
きっと、鬼殺隊の中で地位のある人間だったのだと推察できる。だから、産屋敷家の人間と近しい間柄で、ひなたとも親しくなったのだろう。
目の前のひなたは、その男の話をする時、とんでもなく悲しそうな顔をする。
「もう、泣くなよ…。何もできない。それは分かるよな…? 」
優しく諭すように不死川は言った。
「おじいちゃんも愈史郎もそう言うの。私にも分かってる。でも、でもね、不死川さんも煉獄さんに会ったら、きっと私と同じように思うわ。あの人に生きていて欲しいって」
「分かったから泣くな」
ひなたは笑顔が似合う子だと思う。悲しそうな顔をして欲しくなかった。
「私、ね…不死川さん」
「ん? 」
「もう一度だけ、大正時代に行こうと思うの。もう一度行って、煉獄さんが死ななくていいようにできないかな?何か、できる事があるはずだから! 」
不死川は目を見開いた。
「お前…!また無茶を言ってるぞ。俺も詳しくはないが、俺の先祖の話では、柱になるのは逸材ばかりだって話だ。その煉獄さんが炎柱なら、そいつは相当な強さを持つ剣士だった筈だ。それなのに亡くなったって事は、余程の事が起こったんだよ。ひなたが行ったからって、何か変えられるとは思えない」
「分かってる。みんなそう言う。だけど、私しか行けないんだもの…」