第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「今は、好きな奴いるの? 」
静かに聞かれてひなたは少し考える。好きな人か…。ドキドキしてしまう人なら頭に思い浮かぶ。
「気になる人はいるよ。ドキドキしてしまう人。それと…」
もう一人、この数日間、胸を締め付ける人がいる。
「もう会えないけど、生きていて欲しかった人がいるの…」
ひなたの目に涙が滲む。今日、お出掛けする事でこの辛い気持ちを少しでも忘れられたらと思っていたけど、やはり浮かんで来た。
「おい…どうした。ひなた、それって、誰の事だァ」
不死川が身を乗り出して驚いた顔で尋ねてきた。
「…私、どうしたら良いのか分からないの。煉獄さんに生きて欲しかったのに」
ひなたは独り言のように呟く。
不死川には訳がわからない。過去に行った事と関係ありそうな気はするが、一体、向こうで何があったというんだ。
「泣いてても分かんねェだろォ。どこからでもいいから、話してみろよ」
プラネタリウムのカフェで、ひなたは少しずつ語った。向こうの時代であった事、そして帰って来てから産屋敷家の備忘録を読んでしまった事。
この数日間、胸のなかに渦巻いていた悲しみを、不死川に話した。