第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
輝利哉の言いたい事はわかる。でも、ひなたには煉獄さんの事を仕方がない事だとは思えなかった。
「私にはできる事はないの?私、もう一度大正に戻る!! 」
「駄目だ! 」
「駄目だよ」
二人に同時に言われてしまう。愈史郎が言うなら分かるけど、おじいちゃんにまで反対されると、ひなたは次の言葉が出なくなりそうだ。
輝利哉に駄目、と言われた事なんてなかった。
涙の雫をポロリとさせながら下を向くひなたに、愈史郎と輝利哉は顔を見合わせる。あの時代の柱達、隊士達は確かに素晴らしかった。ひなたは彼らから、何か受け取って帰って来ている。そんなひなたの気持ちを大切にしたい。
輝利哉も愈史郎も、あの当時の空気に触れた気持ちがした。
でも、変えることのできない過去なのだ。
「ひなた、これだけは言っておくよ。鬼殺隊になった若者達は、その命を散らす事がよくあった。大切な命だね、あってはならない事だね。しかし、彼らが普通の人と違うのは、それで良いと覚悟していたんだよ。それは、上の階級になる程強い想いだった。柱はいつも、誰かの盾となる事をいとわなかった」
輝利哉は愛する孫の頭を撫でる。
「だから、ひなたは悲しまないで。もちろん、おじいちゃんだって今も悲しい」
「…………うん…」
これ以上泣いたら、まだ目覚めたばかりのおじいちゃんに心配をかけてしまうから、ひなたは、それ以上言うのはやめた。
「ひなたの気持ちは分かるが、何も出来なかったと自分を責める事はやめろよ。それができたら、どんなに良かったかと思う。でも、輝利哉の言う通りだ。ひなたは今のそこそこなお前で良いんだよ」
「………………………うん」
輝利哉も愈史郎も、ひなたを心配して言ってくれている。優しい二人の気持ちは嬉しい。
でも、心の中では、煉獄さんを死なせたくないと思った。