第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「いえ。ありませんけど」
愈史郎はチーズケーキを食べるの⁉︎ それが見たかった。
「ケーキ食べるのかなって」
「美味そうだが、家で済ませてきたので結構」
ひなたの中で、【愈史郎、人間でない説】が濃厚になった。
「そんな目で見るな!そこそこ醜…」
言いかけて、隣におじいちゃんがいた事を思い出した愈史郎は、いつもの悪口を飲み込んだ。
「…輝利哉。目覚めて良かったな」
「愈史郎君、ありがとう。君にも随分と心配をかけてしまったね」
「元気になったから良いんだ。輝利哉がいないと、やっぱりつまらん! 」
おじいちゃんに優しい眼差しを向けられた愈史郎は、照れて叫んだ。
…可愛い。
「輝利哉、折り入って話があるんだ。白梅の事で」
「何かな? 」
愈史郎はおじいちゃんに、白梅の流星群の話をした。流星群は、特定の人物を大正時代へといざなう事。そしてそれがひなたであることを。
「輝利哉。ひなたは過去に戻って、産屋敷家のお館様にも会ってきてるんだ。特異体質というか、才能というか。輝利哉の孫らしい」
おじいちゃんは驚いている。
「なんと…。あの白梅にそんな事が…。私は夢の中で幼い頃に戻っていたんだ。懐かしい時代で、ひなたに会っていた。話したね」
「うん。おじいちゃん」
輝利哉はひなたに向き直る。
「ひなた。君は私の身を案じて大正へと行ってくれた。それはとてもありがたくて嬉しいけれど、私の為に君が危険な目に遭うのは賛成できない」
「分かってるよ。私も、まさか流星群に飲み込まれてしまうなんて、思わなかったの」
そうだ。ひなたの意思とは関係なく、流星群はひなたをあの時代へと運んだのだから。
「ねぇ、おじいちゃん、愈史郎」