第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
その夜、ご飯を食べた後、おじいちゃんは部屋に戻ろうとした。
「おじいちゃま、今日はもうお部屋に戻るんですか?美味しいチーズケーキがあるのよ」
お母さんは、夜のデザート用に買っていたケーキをおじいちゃんに見せた。
「繭子さん、ありがとう。今日は、お客様が来るんだよ」
お茶を飲んでいたひなたは顔を上げる。
「おじいちゃん、それって愈史郎の事? 」
「そうだよ。愈史郎君だ。ひなたも彼と知り合いになったのかな? 」
ひなたは立ち上がった。
「私も愈史郎に話があるの。おじいちゃんとのお話が終わったら、私も話したい事があるの!終わるの待ってる」
「ではひなたも一緒に愈史郎君に会うかい?待つ事はないよ」
「いいの? 」
「もちろんだよ。ひなたなら大歓迎だよ」
というわけで、おじいちゃんの部屋にやって来た愈史郎とひなた、輝利哉は座卓を挟んで三人で座った。
「愈史郎さん、紅茶でいいのかしら」
愈史郎の前に、お母さんはチーズケーキとお紅茶のカップを置いた。
「お母様、お構いなく」
キリッとした顔で愈史郎は答えた。
「ありがとう繭子さん」
おじいちゃんはにこやかにお母さんにお礼を言った。
「ええ。お代わりは遠慮なくおっしゃってね! 」
と、言いながら、お母さんはなかなか部屋を出ていかなかった。
…わかる。どう見ても異色なメンバーではないだろうか。
超高年齢の老人と、青白い顔の17歳くらいの少年、そしてひなた。
どんな話をするのか気になるに決まってる。
しかも、愈史郎は輝利哉の友人として紹介されている。夜にしか現れない、不思議な少年…それが愈史郎。
お母さんにはきっと、愈史郎の存在が不思議で、知りたいのだろう。
ひなたはもう、愈史郎が誰なのか、ほぼ分かっている。
じっと愈史郎を見つめているひなたの視線に気づいたか、愈史郎はひなたを見つめ返した。
「何だよ。言いたいことがあるのか、お前」