第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
ひなきちゃん達、あまねさんのお手伝いをよくしていたな。
五人の子供達は、皆それぞれによく働いていた。今日も、元気にしているだろうか。
白身の魚の身に葛粉を打ち茹でたお料理は何という名前だっただろう。梅肉で作ったタレをかけるのを手伝っていた子供達。美しいお台所での様子を思い出し、懐かしさで一杯になった。
「きっと、みんなで夜ご飯食べているよね」
と、思った直後に思い出す。あれは大正時代の事なんだと。
ひなたのいる現代から百年以上昔の話なのだ。ありありと思い出せるから、つい、今も皆が生きている気がしてしまった。
「あっ、そうだった!皆はもう…いないんだ…」
不意に寂しさが襲って来た。あの時代から時が経ち、今は現代になっているのだから。
皆はあの後、どんな日々を送ったのだろう。耀哉は、あまねは。五人の子供達や柱達、煉獄さん…。
「煉獄さんの夢を見たんだ!あの夢は何だったの?煉獄さん、どんな人生だったんだろ…」
他の皆の事や煉獄さんの生きた人生がとっても気になりだしてしまった。
皆は無事に素晴らしい人生を過ごせたのだろうか。
「おじいちゃん!! 」
そうだ、輝利哉なら全てを見て来たのだから。知っている筈だ、おじいちゃんに皆のその後の事を尋ねてみよう!
ひなたは急いでおじいちゃんの部屋に向かった。
「おじいちゃん、いる⁈ 」
急いで襖を開けて中に飛び込んだ。ドキドキしていて、鼓動が早くなっていて、落ちついていられない。
「あ、あれ?おじいちゃんお風呂かな」
輝利哉の姿はなかった。そういえば、ひなたが帰って来てから輝利哉を見ていない。どこかに出掛けているのかもしれなかった。
「おじいちゃん、どこに行ったかな」
どうしよう。色々と聞きたい事があったのに。暫く立ち尽くしていたけど、机の上にお皿に乗った人形焼きが置いてある。
「食べずに出かけたのね」
お皿に載った二つのうちの一つを取り上げた。さっき、皆と食べなかったから、パクリとひとくちかじった。
香ばしく焼けた卵の味の生地の中からこし餡が顔を出す。まろやかでとろけるようだった。
「美味しい…あの時食べたのと、似てる…」
優しい甘さの人形焼きを飲み込んだ時、涙が両目から溢れてきた。
「煉獄さん…会いたい…」