第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「ありがとうございます! 」
店の奥で手作業で焼かれている人形焼きを、沢山買ってもらった。胡蝶カナエ先生にプレゼントする分を買おうとしていたらその分までマネージャーが買ってくれたので、学校の皆の分も合わせて両手にズッシリとなるほど、紙袋が一杯だ。
「でも、なんで人形焼きなんですか?何でも良いのに」
不思議そうに言ったマネージャーに、ひなたはにこやかにお礼を言った。
「これが良いんです。食べたくて! 」
「へえ…」
またマネージャーに送ってもらい家に帰り着く。
家に帰った時、まだ時間が5時前だった事もあって、学校には生徒も先生も揃っていた。
「ただいま帰りました。これ焼き立ての人形焼きです。皆さんどうぞ! 」
買ってきた人形焼きの箱が入った紙袋を見せると、そろそろ帰り支度をして座敷に集まりかけていた皆がワッと寄ってきた。
「あら、ありがとうひなたちゃん。じゃ、お茶を淹れてくるわ」
アオイさんは嬉しそうに言ってお台所へと戻った。
「私たちも、お手伝いに行こうよ! 」
「うん! 」
「わーい!美味しそう! 」
きよちゃん達もアオイさんの後を追って、お台所について行った。布巾を持ったなほちゃんが座卓を拭いてくれたので、ひなたは歓声をあげる皆の前で、まだ温かい箱を開ける。
「わあ!美味しそうだなぁ、いただきまーす! 」
炭治郎君はワクワクした顔をして手を伸ばしている。
「沢山食べてね。買ってもらったの」
炭治郎君はキョトンとした。
「誰にですか? 」
皆、ひなたを見ている、そういえば、ひなたは自分のお仕事の事を話していなかったと思った。
「私のお仕事のマネージャーさんだよ。今日は撮影だったの」
皆は、「ああ! 」と納得の顔をした。
「そう言われてみたら、どこかで見た事あると思ってたんだぁ!ひなたちゃんモデルさんだったんだね、綺麗だもん! 」
皆、初めて会った時からひなたを特別な目で見る事がなく、だからひなたも皆に仕事の話をした事がなかった。