第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「産屋敷家について、様々な事が書いてあるよ。一番詳しく書かれているのは、鬼殺隊にとって最終にして最大の闘いの事についてなのだけれど、産屋敷家を引き継いで行く者には知っていて欲しい」
輝利哉は、ひなたを見つめて静かに言った。
「おじいちゃん…」
ひなたは信じられない思いがした。産屋敷家には沢山の人間がいて、各方面で活躍していたり権威だったり、それぞれに素晴らしい功績を残している者が多い。ひなたの親類には、憲伸のような人間もいるが、ほとんどは皆が当主になれるような人物である。
それなのに。何故、輝利哉は、当主しか見ることができないこの本を見せるのだろう。
「ひなたは私の選んだ子だ。君なら、権力や欲に流される事なく、この産屋敷家を継承できると私は思っているんだ」
「でも…私、そんな器じゃ…」
ひなたは自分でも分かっている。取り柄があるわけでもなく、頭脳明晰な輝利哉や父とも似ていない。
そんな私に何故…?
「ひなた、不安にならなくても良いよ。私は君の中に光を見ている。その光は今はとても小さいが、自らが輝こうとする時、変わるだろう。
そして私には分かるんだ。ひなたには君を助け、一緒にいてくれる人が現れる。君が一人で背負うものではないという事を知らせたい」
「そうなの? 」
輝利哉は頷いた。輝利哉には先見の明がある。だから信じたいけど…。
「私は夢を見ていたんだ。眠り続けながら、ひなたが私の子供の時代に現れて、あの頃、大変だった私達に明るく寄り添ってくれた、そんな夢を」
「え…? 」
それは、大正時代でひなたが体験して来た事と酷似している。
おじいちゃんとひなたは、無意識に繋がっていたのだろうか。