第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「ひなたちゃん、先生のお部屋に運んでね」
「はーい!アオイさん」
おじいちゃんが目を覚ましてから、ここ産屋敷学校もまた、以前のように日常が戻っていた。輝利哉が寝込んでいる間も授業は普通通りに行われていたけれど、輝利哉が目覚めた事で、なんだか活気づいている。
アオイさんはひなたの前に、お味噌汁とご飯、肉じゃがとほうれん草のお浸し、プリンの乗ったトレーを置いた。
「先生に食べさせてね。ひなたちゃんも一緒に食べて来て! 」
湯気と一緒に良い香りがふわっとする。
「はい!ではお言葉に甘えて…」
美味しそうなおかずにお腹が鳴りそうだ。トレーを持ち、ニヤニヤしているひなたに、アオイさんは笑った。
「良かったわね、先生がお元気になられて」
「はい!これからは、おじいちゃん孝行しないと」
おじいちゃんに手作りのご飯を食べて貰うんだ!頑張れ自分!!というわけで、今日のプリンはひなたが作った。
アオイさんに手取り足取り、教えてもらいながらだけど。しかも、おかずではない。でも頑張った!
皆が集まるキッチンと茶の間は、お昼ご飯を食べ終わった生徒さんや先生達が寛いでいる。携帯を見てる子、お喋りで盛り上がっている子たち。読書している人。
思い思いのお昼を過ごしている。穏やかなこの時間がひなたは好きだ。ふと見ると、不死川先生は気持ちの良い揺り椅子に座って、庭の外を眺めていた。
何か考え事かな。不死川さんは、口元に手を置いて肘掛けに肘をついていた。
そうやって座っているだけで、不死川さんには大人の雰囲気が漂っていて、凄く素敵な人に見えた。
「不死川さん、眠ってるの? 」
胡蝶カナエ先生が不死川さんの側を通りかかって、動かない不死川さんに語りかけた。
「あ、寝てないよ。ちょっと考え事だァ。何? 」
眺めていた庭から視線を戻して、不死川はカナエ先生を見る。