第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
輝利哉の足元にガバッと伏せて泣き出す孫娘に、輝利哉は優しく微笑んでその頭を撫でる。
「ごめんね。ひなたに沢山、心配をかけてしまったね」
「うん。いいの…目を覚ましてくれたからいいの…うぅっ…わぁああん! 」
ひなたは堪らず声が出る。
「国凛哉に聞いたよ。ひなたは私の白梅を守ってくれたんだってね」
「だって、おじいちゃんの宝物だもん…っうう…」
ひなたの父と母が見守る中、輝利哉に優しく慰められ涙が溢れている。我慢していた涙を止める事ができなかった。
「不思議な事があってね。夢の中で、ひなたが、懐かしい父上と母上を私の元に連れて来てくれたんだ。母上は私の手に、白梅の若い枝を握らせてくれたよ」
「ほんと?耀哉さんとあまねさんが?おじいちゃん。嬉しかった? 」
泣き顔で輝利哉を見上げると輝利哉の微笑みが優しくひなたを包む。
「嬉しかったよ。母上は私が子供の頃の姿、そのままだったよ」
きっとひなたが見たあまねさんと同じ姿を、輝利哉も見ていたんだとひなたには伝わった。
「良かった…おじいちゃん…良かった」
「目が覚めたら、私は白梅の枝を握っていた。ひなたにお礼を言わないといけないね。ありがとう、ひなた」
「うん…うぅっ! 」
ひなたの嗚咽が響き、両親も泣いていて、輝利哉が穏やかに微笑んでいる。また、いつもの産屋敷一家が揃った事が、皆、同じように嬉しかった。
輝利哉はその後、主治医の診察を受けた。
ゆっくりとだけど起き上がり、お母さんが運んで来たお粥を食べた。裏ごしした梅が綺麗に乗っているお粥を食べると、輝利哉の白い顔に生気が少しずつ戻ってきていくのが見えるようだ。ひなたの家族は、そんな輝利哉の回復の兆しが有り難く、また泣いてしまった。