第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
いつ、戻るタイミングが現れるか分からなかったので、いつも着物の帯に刺していた。お水を含ませた脱脂綿で巻いて包んで、持ち歩いていたのだ。
不死川さんの腕の中で、帯を探ると、小枝の包みが綺麗なまま出てくる。
「見て。少しだけど、ちゃんとあるよ」
不死川に見せると、受け取って枝を見ていた不死川は驚きを隠せない様子だった。
「ひなた、本当に白梅の元気だった時代に行ったのか…。不可解な事が起こりすぎて、常識から外れそうだァ…。なんてこった…」
信じられない事が起きて、でも信じざるおえない状況をなんとか飲み込もうとしている。
「あのね、大正時代って素敵だったよ。不死川さんのご先祖様にも会ったの。凄く楽しかったから心配しないでね」
「安心させてくれよ…。もうこんなのは御免だからな」
不死川はひなたを抱きしめるように包んだ。
不死川さんの着ているセーターの胸に押し付けられた頬が、温もりでほわほわと温かい。不死川さんに会いたかった。お父さん、お母さんにも。
「おじさんとおばさんを呼んでくる。二人は心配しすぎて、飯も食わなくなったからアオイさんが何とか美味いものを作って食べさせてたんだ。夜も眠れてなくて、昼に少し眠って、産屋敷先生のお世話をして二人とも大変なんだ。優しくしてやれよ」
不死川はひなたの身体から身体を離した。少し名残惜しそうに、ゆっくりと。不死川さんの優しい香りの余韻が残り、ひなたは少しだけ寂しくなる。
不死川が部屋を出て行き、両親を連れて来てからは、予想通りの涙の再会となった。