第5章 流星群が誘う旅
ひなたが笑いながら聞くと、杏寿郎は胸を張った。
「俺は17だ。君は? 」
「私の方が年上だね。19歳になったの。年上だから敬語で話してね」
「…むう…! 」
杏寿郎は困った顔になる。精神年齢は俺より下に見えるぞ。と杏寿郎は思った。
「嘘だよ。敬語じゃなくていいよ、友達だもんね! 」
杏寿郎の顔を見たひなたは笑いながら言った。杏寿郎には何でも言える、杏寿郎と一緒にいるととても楽しい。
本堂に近づくにつれて露店はなくなり、人の姿もぐっと減り木が多くなる。森の中にあるお寺だから、木の茂る場所は日陰で涼しい。
二人は木の下にある石で出来た長椅子に腰を下ろした。
「風が気持ち良いな」
杏寿郎はそよ風に髪を揺らして微笑んだ。
「うん」
言わなきゃ…。もうすぐ帰るかもしれないから、継子にはなれない事。
あれから考えたけど、急にいなくなった弟子を煉獄さんが探したりしたら申し訳ないもの。
「あのね、煉獄さん」
ラムネを一口飲んで、ひなたは口を開いた。
「この前のお話だけど」
「ん? 」
「継子になるっていう話…」
「ああ!俺には継子がいない。筋の良さそうな君を育ててみたいと思ったんだ」
煉獄さんの気持ちが嬉しかった。ひなたは自分には何の取り柄もないと思っていたからだ。
煉獄さんみたいな人に、素質があるって認めてもらえて、自分にも何かできるんだって、そう思えた。
モデルとしては駄目な自分が、もう一度立ち上がれる。
そんな気がしたんだ…。
「私ね、実は未来…」
ひなたがそう言いかけた時、大きな蜂がブーンっ!!と二人の間を通過してまた戻って来た!
「きゃっ!は、蜂!! 」