第5章 流星群が誘う旅
皆がわいわいと、楽しそうに選んでいる姿を見て、杏寿郎は胸が温かくなるのを感じた。
産屋敷家の人々は、鬼殺隊のために全てを捧げて生きていると思う。お館様の子供達も、まだ幼いのに様々な事を手伝い、大人の補佐として働く。
そんな産屋敷家の子供達が、こんなに楽しそうな顔をして、普通の女の子のように喜んでいる様子は、杏寿郎にはとても微笑ましかった。
…この子がいるからか?
杏寿郎は、黒い髪の女の子とにこやかに笑いながら話をしているひなたを見た。
ひなたは明るく笑っている。子供達はひなたに選んでもらったり、ひなたの髪に髪留めを合わせてみたりして、とっても仲睦まじい。
ひなたが、この明るい雰囲気を作っているのだろう。綺麗な口元を大きく開けて笑う気取りのなさ。見た目とは違い、ひなたは無邪気な性格をしている。
杏寿郎はひなたから目線を外さずに見ていた。
「煉獄さんは、それを買うの? 」
杏寿郎の視線に気がついたか、ひなたが杏寿郎に話しかける。
「あっ、ああ…」
杏寿郎は手にしていた緑色のガラスの葉の髪留めを元に戻そうとした。
「綺麗ね!葉っぱのガラスだ!それ素敵! 」
「本当!炎柱様のお選びになったのは綺麗!! 」
にちかちゃんも言った。杏寿郎は手のひらの美しい葉を眺めた。
「そうか。君にも似合いそうだな!! 」
杏寿郎は、にちかちゃんに明るく言った。
「ありがとうございます。炎柱様」
皆それぞれに気に入ったピンを選んだ。杏寿郎が皆の分の代金を支払ってまた皆で歩き出す。
「ひなたちゃん、七色の飴があるよ! 」
「わあっ綺麗! 」
ひなた達は飴が山と盛られた露店の方へと歩き出していた。
杏寿郎はもう一度、ガラス細工のピンのお店に戻る。
「これと、これ。いただこう」
先程の緑色の葉のピンと、桃色のピンを選んで包んで貰った。
「お兄さん、沢山買って貰ってありがとう。このピンは私の手作りなの。どれも世界でたった一つしかないのよ」