第5章 流星群が誘う旅
「ひなたちゃんに早く食べさせてあげたくて」
輝利哉は嬉しそうに言った。
ひなたは、思わず泣いてしまいそうになった。輝利哉君…おじいちゃんの優しさは、小さな頃からずっと変わらないんだって。
ひなたは人形焼きの紙袋を抱きしめた。
「よし!美味そうな人形焼きを見たら腹が減った!俺がみんなに何か買ってあげよう!行こう! 」
杏寿郎はひなたが泣きそうになっているのに気付き、明るく言った。
それを聞いたくいなちゃん達の目がキラキラと輝く。子供達にとっても、ずらりと並ぶ露店はワクワクの塊なのだ。
「さあ、何がいい?ひなたも選んでいいぞ! 」
気前良く大きな声で言った杏寿郎の朗らかさに、心を許したのか、くいなちゃんは背の高い炎柱を見上げて可愛いらしい笑顔を向けた。
「炎柱様、私は藤の花を型どった飴がよいです! 」
「私はガラスの髪留めが欲しいのです」にちかちゃんも、皆で一緒に見たいと思っていたお店を伝える。
ひなたも、女の子達と同じようにワクワクしていた。
「私もガラスの髪留め!見たいから行こう! 」
「よし!行こう! 」
皆で露店に行くと、赤い布の上にガラスで作った髪留めやブローチが並んでいる。
「うわぁ…可愛い!! 」
大小様々な長さのピンに、お花のモチーフのガラス細工が付いている。ガラスの色も赤やクリア、緑や桃色があり、とても綺麗だった。
ひなたも子供達も、どれにするか手に取って選んでいる。
「どれもとっても可愛い!ひなたちゃんはどれにするの? 」
にちかちゃんに尋ねられたひなたは、クリアなガラスの髪留めを選んでいた。
「これね、あまねさんに似合いそうでしょ? 」
「ほんとね!お母様の髪に載せると輝いて見えるわ! 」
ここには来ていない、ひなきちゃんとかなたちゃんの分も選んだ。赤いガラスでできた牡丹のピン。