第5章 流星群が誘う旅
「ははは!それは知らないが肩車は得意だぞ」
杏寿郎は明るく笑った。笑うと、いつもは大きな目が細くなる。ひなたは、杏寿郎の肩にお尻を乗せてしまった事を思い出した。
「あの日はごめんね。ありがとう」
「ああ。あの木に白梅の花が咲く頃は見事だろうな! 」
杏寿郎は来年、あの庭で美しく咲く白梅が楽しみになった。
「あのね…」
ひなたは胸が苦しくなった。来年、白梅を一緒に見られない気がしたからだ。そして、何故か泣きそうな気持ちになった。
煉獄さんと一緒に見たい。せっかくできたお友達なんだもの…。
「ん?どうした、ひなた。白梅の花が咲く頃、また招待してくれ。俺は、君を担いで枝取りに協力した共犯者だ! 」
明るく言う杏寿郎を見上げ、ひなたは、自分がこの時代の人間ではない事を告白しようと思った。
「あのね、煉獄さん」
杏寿郎もひなたを見つめる。寂しさを感じながら伝えようとした時。
「ひなたちゃん。見つけた! 」
くいなちゃんとにちかちゃん、輝利哉君が並んでいた。三人は、ひなたと一緒にいる杏寿郎に丁寧に頭を下げた。杏寿郎も可愛い子供達に目を細める。
「ああっ!探してたんだよ。みんな、よくわかったね」
「ひなたちゃんの水色のお着物を一生懸命に探したの!ね! 」
「うん!やっと見つけた! 」
輝利哉君は目をキラキラさせて言った。
「ひなたちゃん。手を出して! 」
「なあに?輝利哉君」
ひなたがクスッと笑うと、輝利哉はひなたの手に人形焼きの入った紙袋を乗せた。
「わあっ!人形焼き!まだあったかい!ありがとう、輝利哉君! 」
さっきひなたが食べたいと言ったから、輝利哉は買ってくれたようだ。