第5章 流星群が誘う旅
「私も、杏寿郎の元気な顔が見られて嬉しいよ。ところで、杏寿郎」
「はい! 」
耀哉はひなたの顔を見て微笑んだ。
「杏寿郎はひなたと話があるのではないかな? 」
耀哉の言葉に、杏寿郎は姿勢を正す。
「宜しいのですか?今日はご家族でお見えになっているのに」
耀哉は優しく笑った。
「ひなたも、君と話せば嬉しいと思うよ。ね、ひなた」
ひなたは頷いた。
「はい。私も煉獄さんと鬼殺隊祭で会えたらいいねって話をしてたんです」
「そう。ではゆっくり話をしておいで。私と亜貴光は本堂にいて、あまね達は露店に行くから、話が終わったら来なさい」
「はい!耀哉さん」
「ありがとうございます!お館様」
耀哉達が行ってしまうと、輝利哉君達はひなたとのお買い物を楽しみにしていたので、少し残念そうにしながら露店へと行った。
「では、俺達も行こうか」
「うん」
耀哉達の後ろ姿を見送ってから二人で並んで歩きだす。
「煉獄さん、今日も任務だったの?さっき言ってたね」
杏寿郎の足取りは軽やかで歩くのが早かった。墓地までの道を歩きながら、ひなたは杏寿郎を見上げる。
「ああ。任務は主に夜から明け方になるから、一旦帰ってから着替えて来た」
「そうだったの。お疲れ様! 」
鬼と戦って来たとは思えない、爽やかで溌剌とした杏寿郎の表情や声。会うたびに思うけど、煉獄さんは頑張り屋なんだ。
「お館様と一緒に、君も全ての墓に花や水を供えたんだろう? 」
「うん。さっき終わったとこだよ」
杏寿郎の目に労いの色が滲む。
「何百という数の墓に花を手向けて、一人一人に語りかけるお館様と御一家には頭が下がる。早朝から時間をかけて、亡くなった隊士へ思いを馳せるお館様の、そんなお人柄を尊敬する!…ひなたもありがとう!! 」
力強くお礼を言う杏寿郎。ひなたは、正直言うと終わりが見えないほどの数で大変だったけれども、杏寿郎の言葉に報われた気がした。