第5章 流星群が誘う旅
本堂からしばらく歩くと、お墓がずらりと並ぶ墓地についた。
広大な敷地に見渡す限りの墓石たち。聞けば、全て鬼殺に関係する人達が眠っているという。見たことがない程に高く積まれたお花と、お水がある。その量に驚いていると、子供達はそれぞれにお花を手にする。
ひなたも皆の真似をしてお花を手に取って抱えた。
「ひなた、今から皆に挨拶をしていくよ。皆、心を込めてお話をするようにね」
「はい。お父様」
耀哉は手に持っていたお花を花入れにお供えして、そこに眠る人の名前を呼んでは祈りを捧げた。隣にあまねが寄り添い、耀哉と共に祈る。子供達は花入れに花を差し、お水を供えた。ひなたも一緒にやった。
数百あるお墓全てをまわり終える頃、隊服を着た鬼殺隊士が現れた。一人、また一人と増えていき、皆は同僚だった隊士や、お世話になった柱の墓に静かに祈りを捧げている。
隊士の中には、花束やお菓子を手にしている者もいて、生前親しかった隊士のお墓の前に座り、静かに語り合っているように見えた。
「南無…南無阿弥陀…うぅ…南無阿弥陀…南無…」
念仏を唱える声が低く響いている。嗚咽混じりの声にビクッとなったひなたに、ひなきちゃんは囁いた。
「あの方は岩柱の悲鳴嶼様です。今日は一番に来て、お供え用のお花を全て運んで下さいました」
「あの量を全部一人で⁉︎ 」
柱合会議で見た身体の大きな男性だった。ネックレスのように首に下げた数珠がゴロゴロと大粒で、見るからに重たそうに見えた人だ。数珠は手にも握られていて、とってもインパクトが強かった。
「はい。悲鳴嶼様はとてもお優しい方ですから、ひなたちゃん怖がらなくて大丈夫だよ」
「うん…」
本当に岩のような凛々しい男の人を眺めていると、岩柱さんは立ち上がり耀哉の前へとやって来た。
悲鳴嶼は耀哉に深々と頭を下げた。