第5章 流星群が誘う旅
「楽しみだな。沢山買ってもらうとするか! 」
杏寿郎は明るく笑う。
「うん!だから鬼殺隊祭までに元気になってね! 」
まだ青い顔をした杏寿郎に元気になって欲しくてひなたは気持ちを込めて言った。
「ああ!君も腹を出して寝て風邪をひかないように気をつけろ。おてんばだからな! 」
杏寿郎は声を出して笑った。
「もう!お腹なんて出して寝てないもん! 」
ひなたは杏寿郎の胸の辺りをポカリと叩いた。
「…うっ…! 」
杏寿郎は胸を押さえた。
…痛む場所を叩いてしまったかな⁉︎
ひなたは杏寿郎の顔を下から覗き込んだ。
「ごめん!煉獄さん、痛かった?そんなに強く叩いてないつもりだったの!ごめんね」
杏寿郎はまだ具合が悪そうだったのに、つい忘れてしまった。
「…俺の継子になるか? 」
杏寿郎は目だけでひなたを見て呟いた。杏寿郎の目が一瞬煌めいて見えた。
「継子って何? 」
胸を押さえていた杏寿郎はゆっくりと体を元に戻した。
「寝食を共にしながら、技術を伝授する愛弟子の事だよ。君みたいな、腕力のあるおてんば娘にぴったりだ」
「私、向いてるの? 」
思っても見なかった煉獄さんからのスカウトに、ひなたはドキドキしながら聞いてみた。
「鬼殺隊に興味は? 」
杏寿郎に尋ねられ、勢いで答えてしまった。
「あるよ」
杏寿郎はひなたを見つめている。
「ひなた、また話そう。考えてみてくれ」
ひなたの頭に一瞬触れて、杏寿郎は歩き去った。