第5章 流星群が誘う旅
この前、柱合会議があったお座敷へと急ぐ。長い廊下を早足で進み、襖を開けると広い広い畳の間が広がる。
そっと開けて進む。
開け放たれたお庭に面した縁側の近くに座っている耀哉の元へ。耀哉の両脇には、ひなきちゃんと輝利哉君が座っていた。
着物の裾が擦れる音に、耀哉は振り向きひなたを見て手招きする。
「こちらにおいで。ひなたにも見ていて欲しいんだ」
「はい」
輝利哉君の隣に座ると、耀哉は頷いた。
お庭にはこの前のように、ずらりと並んだ柱の人達がいた。そして、少し離れた場所に煉獄杏寿郎が片膝を着いて静かに座している。
「さて、皆が揃ったね。今朝、皆に集まって貰ったのは、杏寿郎の事なんだ」
耀哉は、穏やかな口調で話を始めた。どこか嬉しそうな響きがある。
「杏寿郎が下弦の鬼を討伐した。皆にこの事を報告して、杏寿郎が柱になる事をここに宣言する。杏寿郎、君は本当に凄い子だ。これからは柱として、鬼殺隊を支えてくれるかい? 」
耀哉の声は温かく、聞く者の胸を震わせる。今も、この場にいる者全ての気持ちを静かに満たしていくようだ。
杏寿郎は顔を上げ、お館様を見上げる。
「はい! 」
少し離れた場所にいるひなたから見ても、杏寿郎の表情は生き生きとしていて、瞳が輝いている。
煉獄さんが何か偉業を成し遂げ、柱に昇進した瞬間に立ち会わせる為に、耀哉はひなたを呼んだのだと思った。
柱が誕生する瞬間。そうある事ではないのだろう。場の雰囲気が晴れ晴れとしているのを感じる。
間もなくしてこの日の柱合会議は終わり、耀哉と輝利哉君達は立ち上がると部屋へと戻って行った。
庭に残っていた柱の面々は、煉獄さんに言葉をかけては一人、また一人と帰っていく。
「お前、派手にやったな。これからは柱だぜ。俺より目立つなとは言わないが、目立つなよ!頑張れ! 」
煉獄さんの肩をポンポンっと叩いて帰って行くのは、背の高い身体がムキムキの派手なアクセサリーと金の細工をつけた男の人だった。