第5章 流星群が誘う旅
それから何日か過ぎた。おじいちゃんの容体は気になるものの、ひなたの時代に戻る方法が分からない。誰に尋ねようもなくて過ごしていた。
でも、この時代もとても好きだ。曾祖父である耀哉とあまねが生きている世界なのだ。ひなたにとって家族の、にちかちゃん達と過ごす時間はとても心安らぐ時でもある。
ここには輝利哉もいる。とても可愛い姿で、優しく賢い輝利哉の子供時代を間近で見られるのだ。それが嬉しくて、つい、まだここにいたいと思う自分もいる。
不死川先生は、アオイさんは。お父さんお母さん、そして愈史郎は元気にしているだろうか。ひなたがこの時代にタイムリープしてしまった事を知っているのは愈史郎だけだ。愈史郎は皆に説明してくれているだろうか。
不死川先生なら信じてくれるとは思う。でも、きっと心配しているだろう。そういうことを考えると、落ち着かない気分になった。
「ひなたちゃん、どうしたの? 」
お庭で鯉を眺めていたら、くいなちゃんがやって来た。くいなちゃんはいつも菊の髪飾りをつけている。今のところ、ひなたは子供達を判別する時、髪飾りで分かることがある。凄く似ているから、お風呂あがりには誰か分からなくなっている。
池を覗いて、気持ち良さそうに泳ぐ鯉を二人して見ていた。
「私、大正時代から元の時代に戻る方法が分からないの。こっちに来てもう六日経つけど、きっと家族も心配してる。そろそろ帰らないと」
くいなちゃんは頷いて聞いていた。
「ひなたちゃんのご家族が心配しているよね。無事な事だけでも、お知らせできたら良いのに」
くいなちゃんはひなたの手に自分の手を滑り込ませた。
「もうすぐひなたちゃんが帰るかも知れないと思うと、寂しいの…」
ぎゅっとひなたの手を握る小さな手が愛おしくて、ひなたも優しく握り返す。
「私もここにいたい。皆が大好きなんだ。耀哉さんもあまねさんも、くいなちゃん達も大好きなの」
「ひなたちゃん、行ったり来たりできたら良いのにね」
くいなちゃんはひなたを見上げて言った。大きな瞳が一生懸命で、ひなたもそうできたらどんなに良いかと思う。