第5章 流星群が誘う旅
産屋敷家の車を運転してくれるのは、やはり産屋敷さんだ。一族の中から、耀哉に近い親戚がその勤めを果たしてくれる。産屋敷亜貴光さん。耀哉の秘書でもある彼は、耀哉より少し年上で素敵な人だ。
本来なら、産屋敷家のある場所は極秘なのだが、ひなたは家族という事で特別に連れて行ってもらえる。
走る車窓から景色を眺めていると、なんだか見覚えのある神社などがある。今ではビルが立ち並ぶ都心の、大正時代の姿はひなたの目には新鮮に映る。
輝利哉のいる方の屋敷に着くと、車から降りた。
「ひなたさん、ゆっくりなさって下さい。私も寛いできますから」
産屋敷さんにとっても癒しの場所である産屋敷家。産屋敷亜貴光さんは家の中に入って行った。
ひなたは屋敷の周りを歩いてみる。ここは輝利哉おじいちゃんの現代の家と同じ場所だ。ひなたにとってもかなり愛着のある場所だった。
色んな所が、やはりピカピカで美しい。ひなたの知っている屋敷は年月を経た品格を感じさせるが、こちらはまだ新築なのか新しくて、輝きを放っている。
庭を歩いて水路の橋を渡り、向こうにある白梅の池へと向かう。
初夏の日差しが気持ちが良い。ここは水の流れがあるおかげか、庭の隅々まで爽やかな空気に満たされている。